1人で勉強する少女。
コロナウイルスの拡大により学校は休校になった。早くに休校の決断を下した学校は英断であると称賛された。
学校へ通わなくても死にはしない。オンラインで勉強も試験もできる。通学は不要不急の外出だ。
本当にそうだろうか?
この少女はなくなった学校行事で得られたはずの様々な経験をどこで取り返すのか。将来の糧になるはずだった部活動での努力は知らないままかもしれない。
オンラインの設備が整えば学校教育の全てが補われるわけではないのだ。
生徒は、受験に関係なくても、数字に現れなくても、学校でしか得られない経験をする機会を与えられるべきである。
「世界は新型コロナウイルス感染症とどう『戦った』のか?」
「戦った」なんて過去形ではない。教育の現場では、これからも「戦い」が続く。
体罰やいじめのニュースばかり取り沙汰される学校教育だが、生徒のことを考えている大人が本当はたくさんいるのだから。
[東京女子大学 佐藤 晴]