「怒りの矛先」
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John MACDOUGALL / AFP
これは現在の険悪な米中関係を皮肉った壁画の写真である。
今アメリカは中国に対して激しい怒りを示している。
コロナによる死亡者の急増、ロックダウンによる急速な経済悪化の責任は誰なのか?
やり場の無い怒りの矛先をトランプ大統領は中国に向けている。
また欧州の一部でも米国同様中国を訴訟するような動きが出ている。
一方、中国は自国の初期対応を正当化して、現在は世界の救世主としたアピールを大々的に展開している。彼らは経済力を背景にした医療支援を他国に積極的に行い、自国グループへの取り込みを図っている。
米国と中国間の新冷戦と言われて久しいが、今回のコロナウイルスは更に二国間の関係を悪化させ、世界を二極化へと加速させている。これは第二次世界大戦の状況に類似しており、このまま行けば本当の戦争も起こりかねないだろう。
我々は怒りの矛先を無理やり作るのではなく、いち早くコロナ危機を乗り越えるために多国間での協力を進めるべきだ。
[明治大学 吉本 咲葵]