世界では毎日コロナウイルスによる死者が増え続け、テレビをつければニュースで感染者数や死者数を報道している。そして感染者の治療を行っている医療現場に関する報道もよく目にするが、遺体を弔い、葬る現場に関する報道は見たことがない。遺体に残っているウイルスによる感染のリスクを考えれば、医療現場と同等の危険を伴うだろう。日本では遺族ですら感染のリスクを減らすために故人の遺体に会うことができないという。もちろん不謹慎であるというのが報道されない最大の理由だろうが、されなければきっと一般大衆は意識しないだろう。コロナウイルスのせいで死者が今までにないスピードで増え続ける今日、火葬や埋葬は必要不可欠であり、誰かが必ずやらなければならない。命を懸けて戦っている人々がいるのに、気づいている人はいったい何人いるのだろうか。それに対する報道が必要なのではないか。
[明治大学 手塚 翼]