【7月3日 AFP】韓国の女性アイドルグループ「KARA」の元メンバー、故ク・ハラ(Goo Hara)さんに対して性的動画を流布すると脅迫するなどの罪に問われた元交際相手の男の控訴審が2日に行われ、懲役1年の実刑判決が言い渡された。クさんは自殺したとみられており、元交際相手による脅迫が自殺に影響したとされている。

 クさんは2018年、地元メディアに対し、元交際相手が2人の性行為の動画を公開して「芸能界でのキャリアを終わらせる」と脅迫したと明かした。

 防犯カメラが捉えた2人の映像には、クさんが元交際相手の前でひざまずき、動画を公開しないよう懇願するような様子が映っていた。

 クさんは昨年11月に自宅で死亡しているのが発見された。性的動画に関する報道があった後にネット上で悪質な中傷を受け、自殺をしたとみられている。

 元交際相手で美容師のチェ・ジョンボム(Choi Jong-bum)被告は昨年、脅迫や過失傷害など複数の罪で有罪となり、執行猶予判決を受けた。

 チェ被告と検察の双方が控訴し、ソウル中央地裁は2日、一審よりも重い懲役1年の実刑判決を言い渡した。

 ただ、クさんが性行為の撮影に同意しなかったとの主張に対しては、「十分な証拠はない」との判断を下した。

 保守的な韓国では、こうした動画を撮影された女性は被害者であるにもかかわらず屈辱感にさいなまれ、動画が公にされると社会から見捨てられ、孤立する傾向がある。

 今回の判決について、クさんのファンからは刑が軽すぎるとの声も上がっている。(c)AFP