新型コロナウィルス感染症とその対策は通常時に見られる格差を非常時において一層顕在化している。
全国的なロックダウンが行われている中、ロンドンのオックスフォード通りにホームレスの男性が座り込んでいる。先進国では比較的満足な環境を想定して感染症対策が求められる一方、十分な環境を整えられない人々は苦しい思いをしている。ホームレスや難民などの社会的・経済的に弱い立場にいる人々は通常時以上に不安定な状況に置かれる。非常時において多くの人が自らを心配し始めると、これらの弱者は無視されることがある。「家に居よう」=「家に居れば大丈夫」というメッセ―ジが無意識に社会的・経済的弱者を排除していることを表しているだろう。
[早稲田大学 S.G]