【6月5日 AFP】米ナショナル・フットボール・リーグ(NFL)、ニューオーリンズ・セインツ(New Orleans Saints)のQBドリュー・ブリーズ(Drew Brees)は4日、NFL選手の膝つき抗議に反対する自身のコメントについて謝罪した。今回の発言をめぐっては批判が殺到していた。

 ブリーズは自身のインスタグラム(Instagram)アカウントで、人種差別や警察の暴力に膝をついて抗議するのは米国旗への「侮辱」だとする自身の発言は、「人を傷つけるもので無神経」だったとして、「私の友人、チームメート、ニューオーリンズ(New Orleans)市、黒人コミュニティー、NFLコミュニティー、そしてきのうの私のコメントで傷ついた皆さんに謝りたい」とつづった。

「何人かと話をする中で、自分が引き起こしてしまった痛みを知って胸が引き裂かれている」「米国旗と国歌をめぐる敬意や結束、連帯について話そうとしたが、私が出したコメントは無神経で、今この国が直面している問題においては完全に的外れだった」

 警察の暴力や人種差別に対する抗議デモの波は全米に拡大しており、2016年に国歌演奏中に膝をついて論争に火をつけたNFLの元スター、コリン・キャパニック(Colin Kaepernick)を支持する声が多くのアスリートから上がった。

 こうした動きによって、人種差別を訴えて現在はNFLから締め出されているキャパニックに連帯し、来季のNFLでは「膝をつく」選手がもっと増えるかもしれないとの臆測を呼んでいる。

 ブリーズは3日、膝つきには断固反対の立場を維持するとして、「米国旗や自分たちの国を侮辱する人には決して賛成しない」と米Yahoo!スポーツ(Yahoo! Sports)に話し、同じNFLの選手や米プロバスケットボール(NBA)のスーパースター、レブロン・ジェームズ(LeBron James)らアスリートなど各方面から批判を浴びた。

 ブリーズはこの日、自身のコメントについて「認識が足りず、思いやりや共感に欠けていた」とすると、「構造的な人種差別や警察の暴力と闘う黒人コミュニティーに寄り添い、変革をもたらす真の政策変更を支持する。これが私の立場だ」と発信した。

「私はこれまでずっと味方であり、敵であったことは一度もない。きのうのコメントの受け止められ方に嫌気が差しているが、すべての責任は自分で背負う。本当に申し訳なく、許しを請いたい」 (c)AFP