【6月2日 AFP】イングランド・プレミアリーグ、リバプール(Liverpool FC)に所属する選手は1日、米ミネソタ州の黒人男性ジョージ・フロイド(George Floyd)さん(46)が警察の拘束下で死亡した事件を受け、本拠地アンフィールド(Anfield)のセンターサークル上で膝をつき、抗議運動「Black Lives Matter(黒人の命は大切)」に連帯の意を表した。

 ビルヒル・ファン・ダイク(Virgil Van Dijk)やトレント・アレクサンダー・アーノルド(Trent Alexander-Arnold)らリバプールのスター選手たちは、同じ写真をツイッター(Twitter)に投稿。「団結は力」という言葉に#BlackLivesMatterというハッシュタグを添えた。

 元米ナショナルフットボール(NFL)のコリン・キャパニック(Colin Kaepernick)が、2016年に試合前の国歌演奏時に行ったことで有名になったこの膝つきポーズは、人種差別に抗議する際のシンボルになっている。

 マンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)のマーカス・ラシュフォード(Marcus Rashford)は、フロイドさんの死後に起きている暴動の余波で、社会が「これまで以上に分断」されたように思うと述べた。 

「僕が人々に団結や連帯、結束を呼びかけ続けている間に、社会はこれまで以上に分断されているように思える」「人々は傷つき、答えを必要としている」「黒人の命は大切。黒人の文化は大切。黒人のコミュニティーは大切。われわれは大切」

 ラシュフォードのチームメートであるポール・ポグバ(Paul Pogba)も、「人種差別による暴力行為はもはや許容されない」と記した。

 前週末のドイツ・ブンデスリーガ1部では選手数人が断固とした態度を示しており、31日のSCパーダーボルン07(SC Paderborn 07)戦でキャリア初のハットトリックを記録したボルシア・ドルトムント(Borussia Dortmund)のジェイドン・サンチョ(Jadon Sancho)は、得点後にユニホームを脱いで「ジョージ・フロイドのために正義を」と書かれたTシャツを見せた。

 イングランド代表のサンチョは、SNSに「正しいことのために声を上げるのを恐れてはいけない」とつづっている。

 イングランド・プロサッカー選手協会(PFA)は発表文の中で「世界が見ているということを米国に知ってほしい。ジョージ・フロイドの正義のために取られる行動は、米国における黒人の命の価値をはっきりと伝えることになる」と述べた。

 また、元イングランド代表キャプテンで、米メジャーリーグサッカー(MLS)のインテル・マイアミ(Inter Miami)の共同オーナーを務めるデビッド・ベッカム(David Beckham)氏は、「黒人コミュニティーと、これらの出来事に憤る全世界の大勢の人たちに連帯する」とインスタグラム(Instagram)に投稿した。

 白人警官に手錠をかけられて膝で首を数分間押さえつけられたフロイドさんは、5月25日に死亡した。(c)AFP