【5月31日 AFP】世界保健機関(WHO)から脱退する意向を表明したドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領に30日、各方面から批判が殺到した。

 欧州連合(EU)は「いまは協力と共通の解決策を強化すべき時だ」 「国際的な成果を弱める行動は避けなければならない」とする声明を発表し、米政府に新型コロナウイルスへの対応に問題があったとしてWHOへの資金拠出を恒久的に停止するとした決定を見直すよう求めた。

 ドイツではイェンス・シュパーン(Jens Spahn)保健相が、米国の決定は「残念」で、世界の健康増進の妨げになると述べたほか、アンゲラ・メルケル(Angela Merkel)首相は、米国が主催する今年の先進7か国(G7)首脳会議(サミット)に自ら訪米しての出席を辞退する意向を示した。

 英医学誌ランセット(The Lancet)の編集者、リチャード・ホートン(Richard Horton)氏は、「狂気と恐怖が同時に来た」 「米政府は人道上の緊急時にならず者になった」と述べた。

 米ジョージタウン大学(Georgetown University)教授(国際医療法)でWHOにも協力しているローレンス・ゴスティン(Lawrence Gostin)氏は、トランプ大統領のWHO脱退表明は「違法で無謀かつ危険だ」と述べ、トランプ大統領が議会の承認なくWHOから脱退することが可能なのか疑問を呈した。(c)AFP/Celine Le Prioux with Daniel Lawler in Paris and AFP bureaus