【5月28日 AFP】新型コロナウイルス対策で世界の模範とみなされていた韓国で28日、約2か月ぶり最多の新規感染者が確認された。人口密度の高い首都圏で新たな集団感染(クラスター)が発生しており、当局が封じ込めへの対応を急ぐ中、感染第2波への懸念が高まっている。

 韓国では感染予防のための規制が緩和され、市民生活が平常化しつつあったが、当局は28日、新たに79人の感染を確認したと発表した。これは、1日の増加数としては4月5日の81人に次ぐ多さだ。累計感染者数は1万1344人となった。

 韓国疾病予防管理局(KCDC)によると、首都ソウル西郊の富川(Bucheon)にあるインターネット通販大手「クーパン(Coupang)」の物流センターで、69人の感染が確認された。

 従業員とセンターに出入りした人、合わせて約4100人に対し自主隔離措置が取られた。金剛立(キム・ガンリプ、Kim Gang-lip)保健福祉次官によると、このうち8割超がすでに検査を受けたという。

 韓国ではソーシャル・ディスタンシング(対人距離の確保)の規制が緩和され、美術館や教会などの施設が再開。野球やサッカーなど一部のプロスポーツも今月から新シーズンが開幕し、無観客で試合を行っている。学校は先週から段階的に再開していた。(c)AFP