【5月27日 AFP】フォーミュラワン(F1、F1世界選手権)に参戦するマクラーレン(McLaren)が、新型コロナウイルスによる新車の販売台数減少を受け、1200人の従業員削減とレース部門縮小を発表した。

 マクラーレンの従業員は約4000人のため、4分の1以上が組織再編の影響を受けることになる。ポール・ウォルシュ(Paul Walsh)執行役会長は「今回の再編が全従業員、特に仕事が左右される職員に及ぼす影響を重く受け止めている」と話し、人員削減は「F1チームの形態と規模に大きな影響を与える」と続けた。

 英メディアの報道によれば、今回の再編計画で800人いるF1スタッフの70人が仕事を失うという。ウォルシュ会長は「こうした措置を避けるべく、事業のあらゆる分野で抜本的なコスト削減を実施するなど、全力を尽くしてきた」「しかし現状では、労働力の規模を削減する他ない」と話している。

 マクラーレンは英モータースポーツ界の名門で、F1でも1960年代以降、多くの優勝選手を輩出してきた。現在参戦している中では2番目に歴史が古く、グランプリの優勝回数もフェラーリ(Ferrari)に次ぐ2位となっている。

 過去にはアラン・プロスト(Alain Prost)氏や故アイルトン・セナ(Ayrton Senna)氏などの伝説的なドライバーを擁し、ドライバーズタイトルを12回、コンストラクターズタイトルも8回獲得している。しかし近年は低迷が続き、カルロス・サインツ・ジュニア(Carlos Sainz Jr.)とランド・ノリス(Lando Norris)の現ドライバーはまだ勝利がなく、表彰台入りも二人でわずか1回だけだった。

 マクラーレンは現在、資金力の乏しいチームと、圧倒的な強さを誇るメルセデスAMG(Mercedes AMG)、あるいはフェラーリのようなチームとの格差を是正するため、来季から予算上限を導入するようF1側にはたらきかけている。

 マクラーレンでは、生産しているスーパーカーの注文も急激に減っている。(c)AFP/Dmitry ZAKS