【5月15日 AFP】英イングランドで13日、新型コロナウイルス対策のロックダウン(都市封鎖)が一部緩和され、7週間ぶりに出勤に加えスポーツや友人と会う目的などでの外出が解禁された。スコットランドやウェールズ、北アイルランドは対象外となっている。

 段階的な外出制限緩和の第1段だが、新型ウイルスによる死者数が世界で2番目に多い英国では13日にも新たに494人の死亡が報告されており、緩和に踏み切ることへは懸念の声がある。また、感染拡大防止のための新たな社会的ルールをめぐって混乱も起きている。

 ボリス・ジョンソン(Boris Johnson)首相は、ロックダウン緩和後も可能な限り在宅勤務を続けるよう強く推奨。グラント・シャップス(Grant Shapps)運輸相も、出勤する場合はなるべく「自転車か徒歩」で職場まで行くよう呼び掛けた。

 しかし、ロンドンでは公共交通機関の混雑が戻りつつあるとの報告もある。

 ロンドン市交通局(TfL)によると、市内の地下鉄の乗客数は前週の同時間帯比で8.7%増加した。郊外路線と地下鉄の中継駅であるロンドン東部のカニングタウン(Canning Town)駅では、ラッシュ時間帯にホームに行列ができたが、マスクを着用していない人の姿が多く見られた。

 ロンドン名物の2階建てバスも、満員状態で走る様子が市内のいたるところで確認された。

 今回の緩和措置を受け、人々は郊外をドライブしたり、テニスやゴルフを楽しんだり、園芸用品センターを訪れたり、1対1でなら友人と公共の場で会ったりできるようになった。

 しかし、常に他人とは2メートルの距離を維持しなければならず、違反者には100ポンド(約1万3000円)の罰金が科せられる恐れがある。

 英政府に対しては、この段階でのロックダウン解除をめぐって「矛盾したメッセージ」を発していると批判を浴びている。矛盾点としては、清掃スタッフやベビーシッターを自宅に呼ぶことは認められたのに、家族や恋人を自宅に招くのはいまだに禁止されていることなどが指摘されている。

 映像は13日撮影・提供。(c)AFP/James PHEBY