【4月1日 AFP】(更新、写真追加)英国で新型コロナウイルスに感染した13歳の少年が3月30日に死亡した。病院関係者と家族が3月31日に明らかにした。親族によると基礎疾患はなかったという。

 イスマイル・モハメド・アブドゥルワハブ(Ismail Mohamed Abdulwahab)君(13)は、英ロンドンのキングス・カレッジ病院(King's College Hospital)で亡くなった。

 キングス・カレッジ病院NHSファンデーショントラスト(King's College Hospital NHS Foundation Trust)は、「悲しいことだが、新型コロナウイルス陽性の13歳の少年が亡くなった。ご遺族にお悔やみを申し上げる」と発表。少年の死は検視官に付託し、これ以上の発表は行わないとしている。

 家族によると「症状が出て呼吸困難になったため」入院したという。家族は友人のマーク・スティーブンソン(Mark Stephenson)氏を通じて、「人工呼吸器を装着し、人工的に昏睡(こんすい)状態にされていたが昨日朝亡くなった。私たちは打ちのめされている」と発表した。

 新型コロナウイルス感染者としては英国で最年少の死者とみられる。31日にはベルギーで12歳の少女の死亡も確認されており、この少女が欧州で最年少の死者とみられている。

 ロンドン大学キングス・カレッジ(King's College London)のナタリー・マクダーモット(Nathalie MacDermott)講師は、子どもが新型コロナウイルス感染症で重症化する例は高齢者よりはるかに少ないことが分かっているが、今回の少年の死亡は感染拡大防止の重要性とともに、遺伝的に感染しやすい人がいる可能性も示しており、致死率が高いとされているグループ以外の死亡例も研究すべきだと指摘した。(c)AFP