【4月1日 CNS】中国・四川省(Sichuan)成都市(Chengdu)の「天府凱徳広場」の一角にある「香天下火鍋店」。店内に入った客は、幾重にもつられたカーテンを見てすっかり気に入った様子だった。

 この火鍋店のフロアは、数十枚のカーテンで20室余りの「個室」に区切られている。何層もの布に包み込まれるような独特な雰囲気だ。顧客はこの空間で、新型コロナウイルスから「隔離された食事」による安全感を楽しむことができる。

 店長によると、1日に経営を再開した時には、他の火鍋店と同じように「一卓空け方式」を採用。客は数人だった。顧客が安心でき、店としても利用率の高い方法としてカーテンを使う方法を思いついてからは、今や数十卓が埋まるという。

 店内につったカーテンの総面積は600平方メートル。病院の病棟がカーテンで区切られていたのを見て、これをヒントに適当なカーテン材料を探したという。

「センマイ(牛の胃)をもう一つください」。顧客は卓上に置いてある無線呼出器を使って、フロントのスタッフに注文をする。注文情報は、フロントを通して店内のフロアスタッフに伝えられる仕組みだ。

 成都市民の廖さんはこの店の常連だ。「カーテンがとっても気に入っています。衛生的だし、安心できます」と言う。廖さんは、他の飲食店では一卓おきに空間を空けてはいるものの、一つの大きな空間を共有しているので、カーテンがあった方が安心できると話す。

「ウイルスが去った後、カーテンをどうするのかはお客様の意見を聞いて決めたい」「カーテンがあった方が安心できるし、プライバシーも保てるというお客様もいます。必要なら継続したい」と店の責任者は語った。(c)CNS/JCM/AFPBB News