【3月31日 AFP】選手生命を終わらせる大けがで英国の病院に入院していたラグビーリーグ(13人制)元サモア代表のモセ・マソー(Mose Masoe)が、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者のために病床数を確保するため、退院しなければならなくなったと告げられたことを明かした。

 スーパーリーグのハル・キングストン・ローバーズ(Hull Kingston Rovers)に所属する30歳のマソーは、1月のプレシーズンに行われた親善試合で重度の脊椎損傷を負い、現役復帰をすることはない。むしろ普通の生活を再開することに重きを置いており、最近では平行棒の補助を使って歩行を始めた。

 しかし、新型コロナウイルス感染の急速な拡大により、マソーはピンダーフィールズ病院(Pinderfields Hospital)を近いうちに退院し、家でリハビリを続けなければならなくなった。

 マソーは30日、クラブの公式サイトに「コロナウイルスに感染した人を入院させるため、病院は多くの病室を空ける必要がある。だから私たちの多くが帰宅しなければならない」と記した。

「家に帰る準備は実際のところまったくできていない。子どもたちと一緒に過ごすことができるから帰宅はうれしいが、トイレに行くなど、一人でできないことはたくさんある。妻に負担をかけたくない」

 マソーはまた、病院のスタッフは患者が新型コロナウイルスに感染することを心配しており、その治療を必要としている人々のため、病室を空けようとしていると伝えられたことを明かした。

「私たちが病院に戻ってリハビリできるよう、皆さんには家にとどまってもらう必要がある」「影響はすでに感じている。だから自分本位になることをやめてほしい」

「家にいてただテレビを見たり、プレイステーション(PlayStation)で遊んだりするだけで命を救えるなんて、世界的にも初めてのことだ。耳を傾けない人に腹が立つ」

「私の妻は妊娠していて、家族は家にこもっている。彼女が外出するのは食料を買いに行くときだけ。彼女たちは正しいことをしており、家にとどまっている」

「前進し続けたかったから、家に帰ることになってひどく落ち込んでいる」 (c)AFP