【3月31日 AFP】新型コロナウイルスの流行は刑罰にも影響を与えている。ベルギーでは警察官に対するつば吐き行為を「危険物質による攻撃の脅迫」とみなし、最大2年の禁錮刑が科されることになった。

 複数の当局筋によると、警官に対するつば吐き行為が犯罪行為に追加された旨が、ベルギー各地の検察当局へ通告された。

 同国東部リエージュ(Liege)の主任検察官クリスティアン・デファルケニール(Christian De Valkeneer)氏によると、自分はウイルスに感染していると言いながら誰かへ向けて故意につばを吐きかけたり、せきをしたりする行為は今後、公務執行妨害や危険物質を使用した攻撃の脅迫に相当する犯罪行為とされ、最長2年にわたって収監される可能性があると説明した。検察関係者には、こうした行為は一律に起訴するよう通達されたという。

 アントワープ(Antwerp)ではすでに先週、街頭や公園、車両を停止しての職務質問などで、警官へのつば吐き行為に新たな刑罰が適用された例が7件記録されている。アントワープ検察庁の広報担当は「この種の行為は珍しくなく、常に報告されているものだが、新型コロナウイルスの流行下では迅速な対応が重要だ」と述べた。

 30日にはアントワープの公園で19歳の男が、新型ウイルス流行の感染抑止策として導入された集会規制に違反したとして身柄を拘束される際、警官に抵抗しつばを吐きかけたために1日勾留された。男は「手錠をかけられた瞬間に警官らに向かってつばを吐いた」と検察庁は述べ、そうした行為は「社会的に全く容認できない」と語った。(c)AFP