【3月20日 AFP】ワールドアスレティックス(World Athletics、世界陸連)のセバスチャン・コー(Sebastian Coe)会長は19日、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)によって東京五輪が年内延期になる可能性はあるとしながらも、最終決定は時期尚早であるとの見解を示した。

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 国際オリンピック委員会(IOC)は、状況に懸念を示すアスリートが増えている中で、18日に「理想的」な解決策はないと強調した。スポーツ界のカレンダーは、サッカーの欧州選手権(UEFA Euro 2020)が延期され、テニスもシーズン中断に追い込まれるなど、COVID-19(新型コロナウイルス感染症)の影響で大打撃を受けている。

 IOCのトーマス・バッハ(Thomas Bach)会長は先日、7月24日の開会が組織の目標であることに変わりないと述べたが、東京五輪の調整委員も務めているコー会長は、英BBCのインタビューで、延期の可能性もあると認めた。

 9月か10月に大会を延期する可能性について問われたコー会長は、「その可能性はある。現段階では何でも起こり得る」とすると、「しかし、ここまでの競技の現状や、IOCと各国際競技連盟との先日の協議における部屋の温度からして、何が起ころうと東京五輪に向かっていくと話す人は誰もいない」「だが、それは現時点の結論ではない」と述べた。

 2012年のロンドン五輪招致で重要な役割を担ったコー会長は、大会を2021年に延期するのは問題が生じる可能性があると指摘し、「それは表面的には容易な提案のようだが、世界選手権と同年の五輪開催について、各競技連盟は実質的に反対の立場だ」と語った。(c)AFP