【3月18日 AFP】韓国ソウルの病院はこのたび、電話ボックス風の新型コロナウイルス検査場を導入した。医療スタッフはプラスチックパネルを挟んで安全に患者の検査を行うことができるという。

 H+ヤンジ病院(H Plus Yangji Hospital)前に設置されたテントの下に並んだ四つのボックスは、有害な粒子が外に漏れないよう減圧されている。

 患者は1人ずつボックスに入り、インターホンで医療専門家による手短な問診を受ける。必要があれば、医療スタッフがパネルに据え付けられたゴム手袋に手を入れて、患者の鼻や喉から検体を採取する。

 この検査にかかる時間は7分ほど。ボックスは検査後に消毒・換気される。

 H+ヤンジ病院のキム・サンイル(Kim Sang-il)院長はAFPに対し、ボックスは、従来の減圧室よりも小型で消毒が「著しく簡単」で、「はるかに安全な検査場」だと説明した。

 韓国はかつて、新型ウイルスが発生した中国に次ぐ感染者を出していたが、大規模な検査と感染者の追跡調査のおかげで、流行を抑えることができたとみられている。

 医師の紹介がある場合または結果が陽性だった場合、検査は無料となっており、16日午前0時までに約30万人が検査を受けた。

 韓国は流行の初期段階で、防護服を着た医療スタッフが車の窓から手を入れて患者の鼻から検体を採取するドライブスルー形式の検査場を導入。今では世界各国で採用されている。

 電話ボックス形式はドライブスルー形式と違い、車を運転しない人や子どもも同じように利用することができる。また、感染の疑いがある患者を病院外にとどめることで、院内を消毒する手間も省ける。

 電話ボックス形式の検査場は、ラボなどで使用される安全キャビネットを基につくられた。安全キャビネットは、グローブボックスとしても知られている。

 映像は17日撮影。(c)AFP