【3月18日 AFP】2019年の年間最優秀選手に輝いたラグビー南アフリカ代表のFLピーター・ステフ・デュトイ(Pieter-Steph Du Toit)が、スーパーラグビー(Super Rugby 2020)の試合で脚の切断につながりかねないけがをしていたことが分かった。チームのメディカルスタッフが明かした。

 ストーマーズ(Stormers、南アフリカ)に所属するデュトイは、2月のブルーズ(Blues、ニュージーランド)戦で負傷交代したが、当初は軽い打撲だとみられていた。しかしチームのメディカルスタッフが匿名を条件にAFPに明かしたところによれば、その後すぐに緊急の治療が必要だと分かったという。

「ピーター・ステフのけがは血腫という、組織内に血がたまって患部が腫れる非常に珍しいものだった」

「そして血腫は、すぐに急性コンパートメント症候群を引き起こした。これは筋肉内の圧力が危険なレベルに高まると発生する症状だ」「その圧力のせいで血液の循環が滞り、栄養や酸素が神経と筋肉細胞に行き渡らなくなる」

「メディカルスタッフがけがの深刻さをすぐに認識していなければ、血液供給が断たれた患者の脚は切断されていたかもしれない」

 デュトイは病院へ緊急搬送されてその日のうちに手術を受け、復帰はおよそ3か月後とみられている。ストーマーズでは、他にもハーシェル・ヤンチース(Herschel Jantjies)、スティーブン・キツホフ(Steven Kitshoff)、ボンギ・ムボナンビ(Bongi Mbonambi)、シヤ・コリシ(Siya Kolisi)と南ア代表選手の負傷者が相次いでいた。

 アルゼンチンとオーストラリア、日本、ニュージーランド、南アフリカのチームが参戦しているスーパーラグビーは、前週末の第7節終了時点で新型コロナウイルスの影響により中断している。

 大会を主催するSANZAAR(南アフリカ、ニュージーランド、オーストラリア、アルゼンチンの4か国からなるラグビー連合協会)のアンディ・マリノス(Andy Marinos)最高経営責任者(CEO)は、5週間以内に再開できなかった場合、そのままシーズン終了になる可能性もあると話している。(c)AFP