【3月11日 AFP】(更新)トルコのレジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領は11日、対ギリシャ国境におけるギリシャ側の難民対応を、ナチス・ドイツ(Nazi)になぞらえて非難した。

 現地テレビ局は、移民が欧州へ向けてギリシャ国境を突破しようとして催涙ガスを浴びる様子を捉えた映像を放映。同じ放送の中でエルドアン大統領は、「ギリシャ国境からのこれらの映像を見ると、ナチスがしたことと変わらない」と指摘した。

 大統領は同時に、「自由な移動をはじめ...関税同盟や金融支援の更新など、トルコが期待するすべてが具体的に実現されるまで、われわれは国境での慣行を継続する」として、欧州連合(EU)が自身の要求を満たさない限り、欧州を目指す難民に国境を開放し続ける姿勢を改めて示した。

 トルコは先月末、難民のために国境を再び開放すると決定。これはEUからの反発と、ギリシャとの激しい衝突を招いた。

 ギリシャは国境突破を目指す移民数千人を催涙ガスで阻止。国境を越えてギリシャ入りした移民に対しては、殴打したり所持品を押収したりしているとの批判が出ている。

 ギリシャ側は武力行使を否定するとともに、必死になった人々をけしかけて欧州を目指す危険を冒させているのは、トルコの方だと非難している。

 エルドアン大統領は国境の開放について、シリア内戦をめぐり欧州諸国が支援を強化するよう圧力をかけるためだと主張。トルコは反体制派の最後の拠点となっているシリア北西部イドリブ(Idlib)県で、政権軍の攻撃に対抗している。(c)AFP