【3月3日 AFP】2014年ソチ冬季五輪のフィギュアスケート女子シングルで、ロシア勢として同種目初の金メダリストとなったアデリナ・ソトニコワ(Adelina Sotnikova)が2日、現役引退を表明した。23歳の同選手は、長期にわたり競技から離れていた。

 度重なる故障に苦しみ、6位に終わった2015年のロシア選手権(2015 Russian Figure Skating Championships)を最後に実戦から遠ざかっていたソトニコワは、「プロの競技生活を終えたことを正式にお知らせする」と地元テレビ局に語った。

 ソトニコワは当時17歳で出場したソチ五輪で前回女王の金妍児(Yu-Na Kim、キム・ヨナ、韓国)を下し、金メダルを獲得。この勝利は予想外だったことに加え、同選手の優れたテクニックが金のノーミスの演技を上回るものだったかどうか、その採点基準をめぐって一部の専門家やスケーターの間では物議を醸した。

 1996年7月1日に生まれ、4歳のときにモスクワにある自宅近くのアイスリンクでスケートを始めたソトニコワは、2009年の国内選手権でシニアデビューを果たし、12歳にしてロシア女王になった。

 またロシア勢としては、1984年のサラエボ冬季五輪で銅メダルを獲得したキラ・イワノワ(Kira Ivanova)と、2002年ソルトレークシティー冬季五輪で銀メダル、2006年トリノ五輪で銅メダルを手にしたイリーナ・スルツカヤ(Irina Slutskaya)に次ぎ3人目となる女子シングルの五輪メダリストとなった。

 2017年にはロシアフィギュアスケート界の皇帝エフゲニー・プルシェンコ(Evgeni Plushenko)氏の下で練習を再開したが、足首の故障を理由に連覇を目指していた2018年平昌冬季五輪の出場を断念。大会では当時15歳の同胞アリーナ・ザギトワ(Alina Zagitova)が金メダルに輝いた。

 コーチのプルシェンコ氏は、国営タス(TASS)通信に対し、ソトニコワが「これまでずっと競技への復帰を目指してきたが、故障に邪魔されて思うようにいかなかった」と述べた。(c)AFP