【2月7日 AFP】ビーガン料理ばかりが並ぶ華やかなパーティーから、レッドカーペットでの衣装の着回しに至るまで、来るアカデミー賞(Academy Awards)でクライマックスを迎える米ハリウッドの今年の授賞式シーズンでは、二酸化炭素(CO2)排出量を削減する試みがこれまで以上に熱心に行われている。

 だが、大物スターらが気候変動問題に大きな関心を寄せていることを歓迎する科学者らがいる一方で、飛行機で移動することの多い彼らが模範となり得るのか疑問に思う人々もいる。

 1月に開催されたゴールデン・グローブ(Golden Globes)賞、映画俳優組合賞(Screen Actors Guild Awards)、放送映画批評家協会賞(Critics' Choice Award)のガラパーティーでは、セレブが集まるイベントで通常出されるステーキではなく、野菜中心のメニューが並んだ。

 1月下旬に開催されたアカデミー賞候補者らの昼食会では、マイタケのローストと(乳製品を使わない)ビーガンチーズが提供された。今月9日に開幕する授賞式では、「野菜が70%を占める」メニューが提供されるという。

 俳優のホアキン・フェニックス(Joaquin Phoenix)さんは、ゴールデン・グローブ賞の授賞式でこうした料理を食べたのは初めてだと述べ、「勇敢で思いやりのある」措置だと大きく称賛した。環境保護活動に熱心な俳優のレオナルド・ディカプリオ(Leonardo DiCaprio)さんやマーク・ラファロ(Mark Ruffalo)さんらも、高く評価している。

 スターらが勢ぞろいするイベントでは、不満を言う人はほとんどおらず、気象学者や環境活動家らもこうした傾向を歓迎している。

 米科学者団体「憂慮する科学者同盟(Union of Concerned Scientists)」のブレンダ・エクワゼル(Brenda Ekwurzel)氏は、努力することは「ハリウッドにとって非常に重要だ」と話す。

 人々を説得して食品選びを変えさせることは、CO2削減のための最も手っ取り早い方法の一つだという。