【1月24日 AFP】男子テニスのアレクサンダー・ズベレフ(Alexander Zverev、ドイツ)は23日、自分たちの世代はソーシャルメディアの存在によって、ロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)らの若手時代よりも厳しい重圧にさらされているとの認識を示した。

 現在22歳のズベレフは、フェデラーを筆頭にラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)とノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)の牙城を崩すことが期待される20代の若手選手の一翼を担っている。しかし、次々と騒ぎ立てるニュースやソーシャルメディアによって、集中力を保つことやネガティブな内容を無視することが難しくなっていると訴えた。

 全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2020)の男子シングルスで第7シードのズベレフは、苦しみながらもストレート勝ちで世界98位のイゴール・ゲラシモフ(Egor Gerasimov、ベラルーシ)との2回戦を突破した後、「20年前とは状況が違うと思う」と切り出した。

「今はソーシャルメディアや携帯電話がある。メディアやそれ以外の人々からも重圧を受けていて、20年前と比べて僕らの方がそうした声を意識せざるを得ない」「状況を把握したり記事を読んだりするのに、(昔は)新聞を買う必要があったけれど、それがパソコンで検索できるようになっている」

「今はインスタグラム(Instagram)を開けたら、いきなり500万人の人々から意見が寄せられる」「そのことが、今の自分たちを厳しい状況にしているかもしれない」「その一方で、ノバクやラファ、そしてロジャーは、勝利を積み重ねているから僕らより上だ」

 ズベレフは四大大会(グランドスラム)の期間中、大会に集中してソーシャルメディアのチェックはしないようにしているとしながらも、実際はそう話すよりも実行に移すことは難しく、否定的な意見に傷ついていると認め、「気にしないと言いつつ、記事を読んでしまう。内心では意識してしまっているんだ」「だから、そこが大きな違いだと思う」と語った。

 そうした余計な重圧に直面しながらも、ズベレフは将来の活躍を期待される選手の一人がメジャー大会を制するのは時間の問題だと自信をのぞかせている。「お互いにいろいろと個人的な関係があるから認めたくない選手もいるかもしれないけれど、僕らの一人がグランドスラムで勝てば、ほかの選手にとっても追い風になるはずだ」 (c)AFP