【1月24日 AFP】中東のエルサレムで23日、アウシュビッツ・ビルケナウ(Auschwitz-Birkenau)強制収容所の解放から75年を前に追悼式典が開かれ、首脳らが式典に出席した。イスラエルと米国は、イランをかつてのナチス・ドイツ(Nazi Germany)の脅威になぞらえ、同国に対して行動を起こすよう呼び掛けた。

 イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相は、式典に出席した40か国以上の首脳らを前に「ホロコースト(Holocaust、ユダヤ人大量虐殺)が繰り返されてはならない」と述べ、「テヘランの暴君ら」を非難した。

「地球上で最も反ユダヤ主義的な政府、あからさまに核兵器を開発し唯一のユダヤ人国家を滅ぼそうとしている政府に対し、いまだに結束し、断固とした態度を取れていない」と、ネタニヤフ氏は述べた。

 マイク・ペンス(Mike Pence)米副大統領もこれに同調し、イランは国家としてホロコーストを否定している唯一の国だとして、同国に対して「断固とした態度」を取るよう国際社会に呼び掛けた。

 イランは核兵器の開発を否定している。また、ユダヤ人国家の建設に反対しパレスチナを支援すると強調しながらも、イラン国内に居住する少数派も含めユダヤ人を認めているとして、反ユダヤ主義であるとの批判を一蹴した。

 ホロコースト記念館「ヤド・バシェム(Yad Vashem)」で行われた今回の式典には各国首脳が多数出席し、イスラエルでは過去最大規模の国際的な外交行事となった。アウシュビッツの強制収容所では110万もの人々がナチス・ドイツに殺害され、大半がユダヤ人だった。(c)AFP/Frank ZELLER and Ben SIMON