【1月23日 AFP】アフリカ南部ジンバブエで、賃金引き上げを求めて昨年9月からストライキを続けていた医師らに対し、地元の大富豪が毎月一定額の支援金を提供すると申し出た。医師らはストを中止する方針だ。

 医師らと政府は昨年から賃上げをめぐって合意できておらず、医師組合がストに突入していた。

 ジンバブエの慈善家で通信企業エコネット・グローバル(Econet Global)を所有するストライブ・マシイーワ(Strive Masiyiwa)氏は、医師らの生活費を支えるため、自身の慈善団体「ハイヤーライフ財団(Higherlife Foundation)」を通じて支援金の提供を申し出た。24日までに申請すれば、来月1日から順次受け取れるという。

 ジンバブエでは、若手医師の賃金は米ドル換算で月額200ドル(約2万2000円)に満たない。支援金を得られれば、毎月の収入が300米ドル(約3万3000円)ほど増えることになる。

 ジンバブエ病院医師組合(Zimbabwe Hospital Doctors' Association)は、「(支援金を)申請するよう全組合員に呼び掛けた。これで仕事に戻り、現状で可能な限り最良の医療を患者に提供できるようになる」とAFPに語った。

 ジンバブエは長引く経済危機とインフレ高進に直面し、労働者は生活に困窮している。医療従事者も幾度となく抗議行動を繰り返してきた。昨年9月に始まった医師らのストでは、公共医療サービスが深刻な混乱に陥り、政府はストに参加した医師400人以上を解雇。その間、裕福層は民間の病院で治療を受けられたが、多くの市民は医療ケアを受けられず、死亡する人も相次いでいた。(c)AFP