【1月23日 AFP】米大リーグ(MLB)のロブ・マンフレッド(Rob Manfred)コミッショナーは22日、野球界を揺るがせているサイン盗み問題で、ヒューストン・アストロズ(Houston Astros)から2017年のワールドシリーズのタイトルを剥奪する予定はないと明かした。

 今回のスキャンダルに関する調査報告書が前週に公開されてから、初めてインタビューに応じたマンフレッド氏は、MLBとしては、アストロズの汚れたタイトルをどう見るかをファンに判断してほしいと話した。

 サイン盗み疑惑については、第7戦にまでもつれこんだ2017年のワールドシリーズでロサンゼルス・ドジャース(Los Angeles Dodgers)を下したアストロズのMLB制覇を、無効にすべきだという声が何度も上がっている。

 米カリフォルニア州ロサンゼルスの市議会は21日、アストロズと2018年のMLB王者であるボストン・レッドソックス(Boston Red Sox)からワールドシリーズのタイトルを剥奪し、両球団に敗れたドジャースにタイトルを与えることを求める決議を満場一致で採択した。

 しかし、スイス・ダボス(Davos)で行われた世界経済フォーラム(World Economic Forum)に出席したマンフレッド氏は、FOXビジネスネットワーク(Fox Business Network)のインタビューの中で、そうした意見に否定的な見解を示した。

 ロサンゼルス市議会の決議について問われたマンフレッド氏は、「レッドソックスの調査が終了していないので、まだ不適切なことをしたと判明したわけではない球団からトロフィーを剥奪するのは少々難しい。結果がどうなるかは分からない」と答えた。

 マンフレッド氏はまた、アストロズはプレーオフを通してサイン盗みの仕組みを利用しており、他の球団もその不正の犠牲になっていたとし、ドジャースにタイトルを与えるのは問題があると続けた。

「二つ目の欠点は、たとえサイン盗みの影響がどんなものであったとしても、ワールドシリーズに進出した球団が変わっていた可能性があること」「ドジャースがワールドシリーズを制していたかどうかはまったく分からない」

 MLBはアストロズのA.J.ヒンチ(A.J.Hinch)前監督とジェフ・ルーノウ(Jeff Luhnow)前GMに1年間の職務停止処分を科しており、これを受けて両者は解任されていた。(c)AFP