【1月23日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は22日、欧州連合(EU)が米国との貿易協定で譲歩しなければ、欧州からの輸入車に高額の関税を課すと警告した。トランプ氏は中国との貿易戦争を休戦状態に持ち込んだばかり。

 EUは米国との合意締結を望む意向を表明した。フランスは、アマゾン・ドットコム(Amazon.com)、フェイスブック(Facebook)、グーグル(Google)など米IT大手の巨額の利益の公平な配分を目指す新税の導入をめぐり米国と対立しているが、この問題で進展があったことを示唆した。一方、英国は米IT企業に対するデジタル課税を独自に導入する意向を表明し、EU離脱(ブレグジット、Brexit)を控える同国と米国の貿易協定締結に対する影響が懸念されている。

 米国では弾劾裁判の審理が進む中、スイスのダボス(Davos)での世界経済フォーラム(WEF)年次総会(ダボス会議)に出席しているトランプ氏は、EUに対し長らく保持してきた攻撃的な態度を再び明確にした。

 トランプ氏は米経済ニュースチャンネルFOXビジネス(Fox Business)で、「EUとの交渉はほかのどこと比べても困難だ。EUは長年、わが国を悪用してきた」と指摘。「最終的には容易になるだろう、合意を結べなければわれわれはEUの自動車に25%の関税を課すことになるのだから」と語った。これについて、欧州最大の自動車輸出国であるドイツはコメントを出していない。

 一方、欧州委員会(European Commission)のウルズラ・フォンデアライエン(Ursula von der Leyen)委員長は、ダボスでトランプ氏と「非常に良い会話」をしたと言明。貿易やテクノロジー、エネルギーの分野に関する協定の見通しを楽観する姿勢をうかがわせた。(c)AFP/Alex PIGMAN and Stuart WILLIAMS