【1月23日 Xinhua News】中国江蘇省(Jiangsu)の南京大学(Nanjing University)はこのほど、同校と中国科学院からなる合同チームがスーパーコンピューター「天河2号」を用い、化石記録に基づく古生代海洋生物の多様性曲線を生成したと明らかにした。時間分解能は、同様の国際研究の精度に比べ400倍近く向上したという。関連する成果は同日、米学術誌「サイエンス」のオンライン版に掲載された。

 南京大学地球科学・工程学院の樊雋軒(Fan Junxuan)教授と同学院教授で中国科学院院士(科学アカデミー会員)の沈樹忠(Shen Shuzhong)氏率いるチームは、3112の地層断面および1万1268の海洋化石種データ26万件の収集と選択を行い、「天河2号」で独自のアルゴリズムを開発。約5億4000万年~2億4000万年前の古生代における海洋生物の多様性曲線を再構築した。時間分解能は約2万6000年と同様の国際研究の精度より400倍近く向上した。

 新たな曲線は、地質時代における三大絶滅(オルドビス紀末・ペルム紀末・白亜紀末)や2度の爆発的な生物多様化(カンブリア紀・オルドビス紀)の詳細な過程をより正確に再現している。これまでに知られる最大の生物大量絶滅は2億5200万年前のペルム紀末に発生し、海洋生物の約8割が数万年の間で急激に絶滅したが、これは当時の地球の急速な温度の上昇と密接な関係がある。また、2度の爆発的な生物多様化は、それぞれ4億9000万年~4億7000万年前と3億4000万年~3億年前に発生しており、いずれも当時の気候の寒冷化と時期を同じくしている。

 沈氏は「これら生物史の重要な事件と環境要因との関係を深く理解することは、現在の地球の生物多様性が直面する課題を認識する上で重要な示唆を与えてくれる」と述べた。(c)Xinhua News/AFPBB News