【1月14日 AFP】ボクシング、ヘビー級のタイソン・フューリー(Tyson Fury、英国)が13日、来月行われるWBC王者デオンテイ・ワイルダー(Deontay Wilder、米国)との注目の再戦について、自分が判定勝ちを収める可能性はないとして、ノックアウトでの勝利を目指していくと明言した。

 これまで負け知らずのフューリー(29勝<20KO>0敗1分け)は、来月22日に米ラスベガス(Las Vegas)のMGMグランド・ガーデン・アリーナ(MGM Grand Garden Arena)で、同じく無敗王者のワイルダー(42勝<41KO>0敗1分け)との再戦に挑む。

 両者は2018年12月にロサンゼルスのステープルズ・センター(Staples Center)で初めて拳を交えており、このときは精彩を欠いてフラストレーションをあらわにしていたワイルダーに対し、フューリーが互角の戦いを披露。「ジプシーキング」を自称するフューリーは、12ラウンド目でダウンを奪われながらも、どうにか勝負を引き分けに持ち込んだ。

 この日ロサンゼルスで開かれた記者会見で、31歳のフューリーは来月のファイトで先にワイルダーに攻撃を仕掛け、第2ラウンドでノックアウトすることを目指していくと主張し、「考えているだけでは不十分だ」「自分が勝ったと知る必要がある。今度は必ずノックアウトしなければならないと分かっている。判定勝ちは無理だと腹をくくり、この試合に臨んでいく。ノックアウトしないとだめだ」と意気込んだ。

 フューリーは先月、トレーナーのベン・デービソン(Ben Davison)氏とたもとを分かち、ノックアウト勝ちを目指すための心強い味方として、名トレーナーの故エマニュエル・スチュワード(Emanuel Steward)氏のおいであるジャバン・ヒル(Javan Hill)氏とタッグを組んだ。

「ノックアウトを目指している」「シュガーヒル(ヒル氏)を雇ったのはそのためだ。右のでかいパンチを仕込まれている。俺はそれを狙っているんだ。戦略はある」

 試合はハードヒットを繰り出すワイルダーのノックアウト勝ちか、もしくはフューリーの判定勝ちかとの見方が多いが、フューリーはその予想を覆してみせると強調。しかしながら、フューリーが予想に反した試合をすると豪語していることについて、ワイルダーはあまり本気にしておらず、「現時点でフューリーのコメントは何も信じない」「あいつは見ての通り、かなりナーバスになっている。落ち着いて座っていられないんだ」と指摘した。

「面白いファイトになるだろう。あいつは最高のファイターだ。試合を楽しみにしているが、あいつの話は何も信じない」「あんなことを言っていても、そういう自信があるというエネルギーは感じられない。最初のファイトで起きたことから、ナーバスになっているように思える」

 ワイルダーは再戦でカギを握るのは忍耐だと確信している。フューリーとの初対戦では、序盤に右の強烈なパンチが何度か空振りに終わる場面があり、後半のラウンドでは疲労していた。「もっと我慢強く、もっと冷静になることだ。とにかく落ち着く必要がある」「最初の試合で、もっと冷静になることが必要だと学んだ」 (c)AFP/Rob Woollard