【11月21日 AFP】北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-un)朝鮮労働党委員長は、韓国の文在寅(ムン・ジェイン、Moon Jae-in)大統領から来週予定されている東南アジア諸国の首脳が出席する会議への招待を受けたものの、出席を断ったと、北朝鮮の国営朝鮮中央通信(KCNA)が21日報じた。両国関係が切迫している様子が改めて露呈した。

 韓国政府は港湾都市の釜山(Busan)で、25日から首脳会議を主催する。文大統領は先に、金委員長の出席に期待を示していた。

 朝鮮中央通信によると、金氏は今月5日に文氏からの親書を受け取ったものの、同会議に出席する可能性を否定したという。

 同通信は論説の中で、韓国が南北間の合意内容を履行しておらず、また米国に依存することにより南北関係を損なっていると批判。

「独立し自立した態度を示さず、何もかも部外者に任せている相手と、どうやって対座し問題を解決していけばいいのか」と問い掛け、過去の首脳会議の失敗に鑑みるに「単にうわべだけの」南北会談は「無意味だろう」と書いた。

 核武装を続ける北朝鮮との対話をかねて支持してきた文氏は昨年、金氏と3度会談し、また金氏とドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領との歴史的な初会談を仲介した。

 しかし今年2月に行われた2度目の米朝首脳会談の決裂以後は、南北関係も行き詰まっている。(c)AFP