【11月12日 AFP】欧州連合(EU)司法裁判所(CJEU)は12日、イスラエル占領地で生産された食品について、産地の明記を義務付ける判断を下した。特にイスラエル入植地産の商品について、消費者の誤解を避けることが目的だと説明している。

 同裁判所は、EUの食品表示に関する法律下では、消費者が「倫理上の配慮や国際法の順守に関する顧慮」に基づいて商品を選択することができるよう、産地を明記することが義務付けられていると指摘。

 実際はイスラエルが「占領し、国際人道法における占領権という意味では限られた権限下にある地域」で生産された商品を「イスラエル国」産とラベル表示することにより、消費者の誤解を招く恐れがあると説明した。

 これに先立ちフランスの最高裁判所が、東エルサレムを含むパレスチナ自治区ヨルダン川西岸(West Bank)産の商品のラベル表示に関する規定の明確化を求めていた。EU司法裁の今回の判断は、これを受けて出されたもの。国際社会は同域に加え、1967年にイスラエルがシリアから奪ったゴラン高原(Golan Heights)を、占領されたパレスチナ人の土地とみなしている。

 フランスは2016年、ヨルダン川西岸とゴラン高原のイスラエル入植地で生産された商品に、正確な産地のラベル表示を義務付ける指針を発表。この指針は、欧州のユダヤ団体や入植地、占領地でブドウ園を経営する企業の反発を受け、イスラエル政府からの怒りも買った。

 イスラエル側は、フランス政府がパレスチナ支援活動家らが広めるイスラエル不買運動を支援し、世界中で起きている他の領土問題には目をつぶる「二重基準」を用いていると非難した。(c)AFP