【11月5日 AFP】北朝鮮は5日、米国務省が先週公表した報告書で北朝鮮をテロ支援国家と記載したことを受け、米朝核協議再開の可能性が「狭まる一方だ」と非難する声明を発表した。

 米国務省は1日に発表した年次報告書で、北朝鮮を引き続きテロ支援国家に指定。また、北朝鮮が「外国領土で複数の暗殺に関与した」と指摘した。

 北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-Un)朝鮮労働党委員長の異母兄の金正男(キム・ジョンナム、Kim Jong-Nam)氏は、2017年にマレーシアの国際空港で暗殺された。当局は北朝鮮の関与を示唆していたが、マレーシアの検察は今年4月、殺人罪に問われた被告のうち最後まで疑いが掛けられていたベトナム人女性への起訴を取り下げた。

 北朝鮮国営の朝鮮中央通信(KCNA)は5日、北朝鮮外務省が米国務省の報告書について「政治的動機に基づいた重大な挑発」と非難したと報じた。

 KCNAはまた、北朝鮮の外務省報道官が米国を「テロリズムの温床であり、首謀者だ」と批判し、「朝米間の対話のチャンネルは、そうした米国の考え方や態度のせいでますます狭まっている」と述べたと伝えている。

 米朝核協議は今年2月にベトナム・ハノイで開かれた米朝首脳会談が物別れに終わって以来、暗礁に乗り上げており、先月スウェーデンで行われた米朝実務者協議では北朝鮮側が米国の提案に「失望した」と表明していた。(c)AFP