【10月30日 AFP】北朝鮮は29日、同国の金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-Un)朝鮮労働党委員長が非難していた金剛山(Mount Kumgang)の観光施設をめぐる韓国側の実務協議の要請を拒否した。韓国当局が明らかにした。

 協議は「不要」とした北朝鮮の強い拒絶姿勢は、南北関係が危うい状態にあることを浮き彫りにしている。今年2月にベトナム・ハノイで開催された、北朝鮮の非核化を協議するための金氏とドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領の首脳会談は決裂。以降、南北関係は急速に冷え込んでいる。

 北朝鮮は韓国と「話すことは何もない」として、韓国を繰り返し非難。金氏は朝鮮半島で最も美しい山の一つ、金剛山に韓国企業「現代峨山(Hyundai Asan)」が建設した観光施設を痛烈に批判している。

 国営朝鮮中央通信(KCNA)の先週の報道によると、金氏はこの施設を「国民性が全くない寄せ集め」と評し、「被災地の仮設テントあるいは隔離病棟のような」同施設の撤去を命じた。

 北朝鮮は25日、韓国に「合意した期日」に施設の取り壊しに着手すべきとの通知文を送った。これを受け韓国は28日、この問題についての実務協議の開催を要請していた。

 南北関係を扱う韓国の統一省によると、北朝鮮は29日、協議の要請を拒否し、書面でのやり取りを主張したという。(c)AFP