【10月20日 AFP】19日に行われたラグビーW杯日本大会(Rugby World Cup 2019)準々決勝でアイルランドに大勝したニュージーランド代表のスティーブ・ハンセン(Steve Hansen)ヘッドコーチ(HC)が、FW陣の規律と勝者のメンタリティーがもたらした勝利だと選手をたたえた。

 オフロードパスがさえたオールブラックス(All Blacks、ニュージーランド代表の愛称)は、前半だけで22-0と大差をつけると、終盤こそ相手に意地の2トライを許したが、後半も手綱を緩めることなく46-14で完勝。ボーデン・バレット(Beauden Barrett)がまたしてもFBとして輝き、ジョージ・ブリッジ(George Bridge)とセブ・リース(Sevu Reece)の両ウイングも全体的に絡む中で、ハンセンHCは「われわれの攻撃ラグビーは新たなレベルへ進んだ」と喜んだ。

 その一方で、指揮官はアイルランド自慢のFW陣をパワーで上回り、猛烈な守備で相手をせき止めた前線5枚のつなぎのプレーを勝因に挙げた。「1番から5番が土台を築いた」と話すハンセンHCは、バックローがその直接的な恩恵を得たと続け、ハーフバック陣とバレットは「試合のテンポを上げた」と語っている。

「非常にシンプルな公式だ。前に進めなければ試合を支配するチャンスは訪れない。そのスタートが、ビッグマンたちが良い仕事をすることなんだ」

 さらにHCは、「守備は試合の50パーセントだが、心理的な影響を考えるなら、おそらく価値は90パーセントになる」と話し、「われわれは規律を保った。相手がボールを持っているときは立ち上がってタックルを仕掛け、厳しいタックルで相手のミスを誘った。それを続けていると相手には少し迷いが生まれ、心理的に優位に立てる」と続けた。

 アイルランドは代表キャップ数の多い選手をそろえながら、今回もW杯の準々決勝を突破できなかった。ハンセンHCはそうした経験の持つ力についても「面白い」と話し、次のように言及している。

「われわれには若手が数多くいるが、みんなスーパーラグビー(Super Rugby)の優勝チームでプレーし、大一番を経験しているから、自信を持って選んだ」「若手の熱意と意欲、自分らしいプレーをする力は非常に重要だが、同時に厳しい場面をくぐり抜けてきた選手たちのリーダーシップも重要だ」

「23人の登録メンバーの半分が決勝トーナメントを勝ち抜いた経験を持っていた。きょうはそれが違いになった」「失礼に聞こえたら申し訳ないが、アイルランドが経験豊富と言っても、それは優勝した経験ではない。しかしこちらには優勝経験者が11人いた」 (c)AFP/Luke PHILLIPS