【10月18日 AFP】サウジアラビアの国営石油会社サウジ・アラムコ(Saudi Aramco)が、来週に予定していた新規株式公開(IPO)の延期を決めた。関係者が17日、明らかにした。

 この関係者は、アラムコの上場時期について12月か来年1月となるのではないかと述べた。アラムコの市場評価額は、過去最大規模の1兆5000億ドル(約160兆円)から2兆ドル(約220兆円)とみられている。

 これに先立つ9月中旬、複数の情報筋がAFPに対し、アラムコ石油施設が無人機攻撃を受けて原油生産量が減少したことから、IPOが延期される可能性があると語っていた。

 サウジ政府は、改革派のムハンマド・ビン・サルマン(Mohammed bin Salman)皇太子の下で石油依存から脱却した経済の多角化を目指しており、IPOもこうした政策の一環だ。

 複数の情報筋によれば、アラムコは国内と国外に分けた2段階方式でIPOを実施する計画。株式の約2%をサウジ証券取引所(タダウル、Tadawul)向けとし、その後、国外でも上場するという。アラムコがIPOを予定しているのは全株式の約5%。

 IPO延期の理由については、サウジ指導部は2兆ドルの調達を見込んでいたが予想評価額がこれに達しなかったためというのが、大方の見方だ。

 アラムコは昨年にも、石油価格が下落したために期待していた評価額が見込めずにIPOを断念している。(c)AFP