【10月17日 AFP】自転車の世界選手権で二つの金メダルを獲得したテイラー・フィニー(Taylor Phinney、米国)は16日、芸術家への転身に専念すべく、29歳で現役引退すると表明した。

 現在EFエデュケーションファースト(EF Education First)に所属するフィニーにとっては、今週末に行われるジャパンカップサイクルロードレース(2019 JAPAN CUP CYCLE ROAD RACE)が最後のレースとなる。

 フィニーは、UCIトラック世界選手権大会(UCI Track World Championships)で、2009年と10年に個人パシュートで金メダルを獲得。また2012年のジロ・デ・イタリア(Giro d'Italia 2012)では開幕ステージの個人タイムトライアルを制し、3日目まで総合首位のマリア・ローザを守った。

 フィニーは「自分の体がこの選択をしてくれたような気持ち。プロ選手として、けがをしていない期間よりもしている期間の方が長くなっている。ここでやめて、チップを換金してカジノから出るには良いタイミングだと感じた」とコメント。

「エネルギーを、触れたことがなくて、新しい、未知の何かに注ぐ時だ。離れることで、より自分に忠実になれる。つまり、芸術や音楽をつくり、創造して啓発していくことだ」

「片足をスポーツのプールに、もう片方の足を芸術のプールに突っ込んでいるような感じだったが、ある時点で芸術が勝ったんだ」 (c)AFP