【10月10日 AFP】ドイツ東部ハレ(Halle)で9日、シナゴーグ(ユダヤ教の会堂)などを狙った銃撃事件があり、少なくとも2人が死亡した。同日はユダヤ教の祭日「大贖罪(しょくざい)日(ヨム・キプール、Yom Kippur)」。銃撃犯は襲撃の様子を撮影し、インターネット上に投稿していた。

 警察は後に、容疑者1人を拘束。事件発生から約6時間後、重大な危険は去ったとして一帯の封鎖措置を解除した。ただ、現在も他の容疑者追跡が継続しているかどうかについては明言を避けた。銃撃により男女各1人の計2人が死亡したほか、地元病院関係者によると2人が銃弾を受けて重傷を負い手術を受けている。

 AFPが入手した35分間の動画には、銃撃犯の男が女性やユダヤ人に関する暴言を発した後、犯行に及ぶ様子が捉えられている。

 動画の中で男は、強いドイツ語なまりのある英語でユダヤ人を批判し、ホロコースト(Holocaust、ユダヤ人大量虐殺)はなかったと主張。その後、シナゴーグのドアを破ろうと試みた上で、女性を射殺した。続いてユダヤ人墓地の門に爆発物を投げつけたものの、門を壊して開けることには失敗。男は次に、シナゴーグから600メートルほど離れたケバブ店で客に向かって発砲した。

 警察は今のところ、この動画の信ぴょう性を確認していない。今年3月にニュージーランド南島クライストチャーチ(Christchurch)で起きたモスク(イスラム礼拝所)襲撃事件でも、犯行の様子が動画配信されていた。

 映像前半は容疑者とみられる男が路上で発砲した瞬間、地元のビデオ制作会社ATV-STUDIO HALLEが9日撮影・提供。後半は現場付近、9日撮影。(c)AFP