【10月10日 AFP】ロシア反ドーピング機関(RUSADA)のユーリ・ガヌス(Yuri Ganus)所長は9日、世界反ドーピング機関(WADA)に提出されたモスクワ検査所のデータが意図的に操作されたものと明かした上で、「厳しい処分」が予想されるとの認識を示した。

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 2017年に就任したガヌス所長は、独週刊誌シュピーゲル(Der Spiegel)に対して、「データの変更はかなり悪質で重大なものであり、偶然ではあり得ない」とすると、「削除されたデータは大量ではないが、何らかの改ざんとごまかしがあった。何者かが大規模な情報隠蔽(いんぺい)を画策している。アスリートの名前に関しても怪しい」と述べた。

 さらに、データが変えられたのは最近の可能性が高いとして、「ここ数か月間のことだ。最後に改ざんされたのは、2018年12月と2019年1月になっている」「処分はかなり厳しいものになるだろう。なぜなら、ロシアが規則を破ったのはこれが初めてではないからだ。2020年東京五輪に加えて、2022年北京冬季五輪の出場も危ぶまれる」と語った。

 一方、ロシアのパベル・コロプコフ(Pavel Kolobkov)スポーツ相も同日、モスクワの検査所から提出されたデータに「矛盾」があった件に関して、WADAの全ての疑問に答えるべく全面協力すると明言した。

 ロシア陸上競技連盟(RUSAF)は、国家ぐるみのドーピング違反をめぐって2015年から資格停止処分を受けている。先月には、国際陸上競技連盟(IAAF)がRUSAFへの処分継続を発表したほか、WADAもドーピングが横行していた2011年から2015年までのデータに関する矛盾について、同国に3週間以内の説明を求めていた。(c)AFP