【10月9日 AFP】第49回世界体操競技選手権(49th FIG Artistic Gymnastics World Championships)は8日、ドイツ・シュツットガルト(Stuttgart)で女子団体決勝が行われ、女王シモーネ・バイルス(Simone Biles)を擁する米国が合計172.330点で優勝を飾った。

 世界体操で15個目となる金メダルを獲得し、自身が持つ最多記録を更新したバイルスだが、記録には一切関心がないと語った。

 22歳のバイルスはこれが世界体操で通算21個目のメダルとなり、ロシアのスベトラーナ・ホルキナ(Svetlana Khorkina)氏を上回って、女子選手では歴代最多のメダル獲得数となった。また、世界体操における歴代のメダル獲得数でも、1990年代のスター選手であるベラルーシのビタリー・シェルボ(Vitaly Scherbo)氏が樹立した23個の最多記録にあと二つと迫った。

 これが4度目の団体制覇となったバイルスは、「記録のことはまったく考えない。ただ試合に臨み、やりに来たことをやる」とうれしそうにコメントした。

 米国は、2011年からの世界体操女子団体で負け知らずで、今大会では166.529点のロシアを2位に、164.796点のイタリアを3位に抑えた。

 バイルスは4種目のうち跳馬、平均台、ゆかの3種目で最高得点をマークし、他を圧倒する演技を見せた米国チームにおいて重要な役割を担った。

 ゆかでは後方抱え込み2回宙返り3回ひねり、通称「バイルス2」を決めると大歓声を浴び、今大会の「全種目」でこの技を披露するという約束を実行した。

 ジェイド・キャリー(Jade Carey)やスニサ・リー(Sunisa Lee)とともにゆかに臨んだバイルスは、15.333点という高得点をたたき出した。米国はゆかで他のチームを凌駕(りょうが)し、金メダルを獲得した。

 またしてもゆかでライバルを圧倒する演技を披露したバイルスは、より多くの競合する相手がいることを願っていた。

「私と競る選手がいればいいのにと思うこともあるけど、それと同時に試合に出て、しに来たことをしなければならない」「どれだけ差があってもまだ緊張する」

 バイルスは10日の個人総合決勝と週末の種目別決勝でも優勝候補に挙げられており、メダルの数をさらに伸ばすとみられている。(c)AFP/Elodie SOINARD