【9月28日 AFP】米プロバスケットボール(NBA)、ブルックリン・ネッツ(Brooklyn Nets)のカイリー・アービング(Kyrie Irving)は27日、祖父を昨年10月に亡くしたことによる動揺がシーズンに影響し、ボストン・セルティックス(Boston Celtics)を去る決断にも拍車をかけたと明かした。

 新シーズンに向けたキャンプ開始を翌日に控え、チームのメディアデーに臨んだアービングは、祖父の死を受け入れられない中で、セルティックスのチームメートの信頼を裏切ってしまったと感じたといい、「祖父が亡くなったとき、バスケットボールは自分の中でどうでもよくなった」「バスケットボールや、そこから得た喜びが、自分の中から消え去った」と語った。

「近しい人の死を受け入れるためのカウンセリングやセラピーなど、必要な手段を講じなかった。自分らしく立ち向かうことができなかった」「苦難の一年となり、チームと一緒に戦い抜けると思っていたことも、できなくなってしまった」「自分の持っているものを出し切れなかったという意味で、仲間を裏切ってしまった」

 昨季はレブロン・ジェームズ(LeBron James)がクリーブランド・キャバリアーズ(Cleveland Cavaliers)を去り、ウエスタンカンファレンスのロサンゼルス・レイカーズ(Los Angeles Lakers)に移籍したことで、イースタンカンファレンスではセルティックスが優勝候補に挙げられていた。

 しかし、チームは化学反応を生み出せず、プレーオフのカンファレンス準決勝ではミルウォーキー・バックス(Milwaukee Bucks)の前に第5戦で敗れ去った。

 27歳のアービングはセルティックスのチームメートに関して、「彼らとの関係は個人的には最高だった」とすると、「だけど、チームリーダーとして自分は失格だった」と告白。フリーエージェント(FA)で加入したネッツでは、同じ過ちは二度と繰り返すつもりはないと誓っている。

 今季のネッツはケビン・デュラント(Kevin Durant)もFAで加入したが、ゴールデンステイト・ウォリアーズ(Golden State Warriors)の選手として出場したトロント・ラプターズ(Toronto Raptors)とのNBAファイナルでアキレス腱(けん)を断裂し、そのリハビリを続ける中で今季はプレーしない見通しとなっている。

 アービングはその穴を埋めることが自分に与えられた重要な役割の一つと認識しており、「ここにいるのは、その穴を埋めるためであり、シーズンを通してその役割に徹するつもりだ。彼には101パーセント万全の状態になってもらいたい」と語った。(c)AFP