【9月28日 AFP】カナダ・モントリオールで27日、気候変動対策の必要性を訴えるデモが行われ、スウェーデンの高校生環境活動家グレタ・トゥンベリ(Greta Thunberg)さん(16)ら50万人が参加した。トゥンベリさんはカナダのジャスティン・トルドー(Justin Trudeau)首相ら各国首脳に環境対策の強化を呼び掛けた。

 トゥンベリさんは、トルドー首相との非公式な面会後に地元先住民のリーダーらと行った記者会見で、地球温暖化の原因となる温室効果ガスの抑制に向けて同首相は「十分な対策を取っていない」と指摘し、「世界中の政治家たちに対する私の意見は同じだ。話を聞いて現代科学で可能な最善の対策を取ってほしい」と訴えた。

 トゥンベリさんは今月23日、米ニューヨークでの国連(UN)気候行動サミットで、自分たちの世代を裏切ったとして各国首脳らを非難する演説をし、世界中で大々的に報じられていた。

 モントリオールのデモで集まった人たちから歓声が上がる中、トゥンベリさんは「共通の大きな目的のためにこうした形で団結するのは素晴らしいことだ」と述べ、「権力を持つ人たちが責任を取らないのならば、私たちが実行する」と訴えた。

 さらに「今週、世界各国の首脳がニューヨークに集まった。彼らは再び空虚な言葉と不十分な計画で私たちを失望させた」と指摘。「本来、私たちに任せるべきことではない。でも誰かがやらなければならない。これは緊急事態で、私たちはただ傍観するわけにいかない。私たちが変化だ。そして変化の時は来ている」と主張した。

 トルドー首相やカナダの他の政党党首らは、緊迫した選挙運動から一息つき、トゥンベリさんが主導したモントリオールでの気候変動デモに参加した。デモ主催者によると、このデモには約50万人が参加した。

 トルドー氏は夫人と子どもたちと共ににぎやかなデモ隊に交じって歩いた。デモ参加者らは、「母なる地球に敬意を」と書かれたプラカードや、気候変動に懐疑的なドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領の選挙運動で使われたスローガン「Make America Great Again」(アメリカを再び偉大に)をもじった「Make America Greta Again」(アメリカを再びグレタに)と書かれたプラカードを掲げた。(c)AFP/Alice CHICHE