【9月25日 AFP】ドイツ検察当局は24日、2015年に発覚した排ガス不正問題の公表を意図的に遅らせて株価に影響を与えた相場操縦の罪で、ドイツ自動車大手フォルクスワーゲン(VW)の経営幹部ら3人を起訴した。

 起訴されたのは同社のヘルベルト・ディース(Herbert Diess)グループ取締役会会長、マルティン・ウィンターコルン(Martin Winterkorn)元グループ取締役会会長、ハンス・ディーター・ペッチュ(Hans Dieter Poetsch)監査役会会長の3人。今後、裁判所が起訴を受理すると決定すれば、裁判が開かれる。

 検察当局は、性能試験で有害物質の排出量を実際より少なく見せかけるソフトウエア「ディフィートデバイス(無効化装置)」の調査をめぐり、同社の経営幹部はその情報を知った時点で株主に伝える義務があったと主張している。2015年9月18日に米当局がこの衝撃的なニュースを発表すると、同社の株価は急落した。この問題で同社は投資家や車のオーナーから大規模な集団訴訟を起こされている。

■ダイムラーは罰金支払い

 ドイツの高級自動車メーカー、ダイムラー(Daimler)は24日、ディーゼル車排ガス規制違反で、8億7000万ユーロ(約1000億円)の罰金を支払うと表明した。

 ドイツ連邦自動車局(KBA)はダイムラーの自動車およそ68万4000台について排ガス規制に違反していると警告していた。今回の罰金はこれに関連するもの。ダイムラーは、「ディーゼルゲート」と呼ばれる一連の排ガス不正問題への関与は一貫して否定している。

 2015年にフォルクスワーゲンの排ガス不正が発覚して以降、かつて評判の高かったドイツ自動車業界にかかっている暗雲が晴れる気配はまだない。(c)AFP/Tom BARFIELD