【9月24日 AFP】国連(UN)は23日、シリアの政府と反体制派が参加する憲法起草委員会が発足すると発表した。委員会の設置は長らく待ち望まれていたが、内戦終結につながるかどうかは依然不透明だ。

 第74回国連総会UN General Assemblyが開かれているニューヨークでアントニオ・グテレス(Antonio Guterres)国連事務総長は記者団に対し、今後数週間のうちにゲイル・ペダーセン(Geir Pedersen)国連シリア担当特使が憲法起草委員会を発足させると述べた。

 シリアでは8年余りの内戦で数十万人が死亡した。グテレス事務総長は、委員会は紛争の政治的決着を見いだすための第一歩だと称賛したが、専門家らは、ロシアを後ろ盾とするバッシャール・アサド(Bashar al-Assad)大統領が実権を固めてきていることを指摘。委員会によってどれだけの成果が得られるのかに疑問を示し、警戒を怠らないよう呼び掛けている。

 憲法起草委員会は150人で構成し、アサド政権、反体制派、国連が3分の1ずつ委員を選出する。

 一方、シリア北東部を実効支配するクルド人の統治体は23日、クルド人が委員会から排除されたことは「不当だ」と非難し、民主主義の原則が損なわれていると主張した。

 欧米諸国は、委員会によって自由で公正な選挙の実施に道筋がつき、アサド政権と敵対関係にある人々が多い数百万人のシリア人難民の帰国が実現することを期待している。

 しかし専門家らは、アサド大統領が自身の地位を脅かす決定に同意する可能性は低いとの見方を示している。(c)AFP/Valérie LEROUX