【9月24日 AFP】いずれもイラクと関係の深いイランと米国の関係が悪化している中、イラクの首都バグダッドで23日深夜、米大使館付近にロケット弾2発が着弾した。現地治安当局が24日未明、AFPに明らかにした。外交官らは緊急用のサイレンが繰り返し鳴り響いたと語った。負傷者が出たとの情報はなく、犯行声明も出ていない。

 ロケット弾が着弾したのは、イラク政府の施設や各国大使館などがある旧米軍管轄区域「グリーンゾーン(Green Zone)」。同地区にいる外国政府の治安筋によると、口径100ミリのロケット弾2発が米大使館の近くに着弾し、3発目が米大使館から見下ろせるチグリス川(Tigris River)に落下したという。

 さらに、この治安筋はロケット弾のうち1発は大使館の門から内側におよそ3メートルの位置に着弾したと語った。

 イラクの治安当局はAFPに対し、24日午前0時の少し前にカチューシャ(Katyusha)ロケット弾2発が米大使館の近くに着弾したと認めた。親イランのイラク民兵組織が支配するバグダッド南部の地域から発射されたものであると分かったという。

 前回グリーンゾーンにロケット弾の攻撃があったのは今年5月19日。その数日前に米政府は、イランの支援を受けたイラク国内の武装勢力による脅威が迫っているとして、どうしても残る必要がある人を除くイラク駐在の全外交職員に退避命令を出していた。(c)AFP