【9月20日 AFP】内戦で荒廃したイエメンの南部にあるアルカシャール(Al-Kashar)村では、20人の子どもたちが木々の下に座り、膝の上で教科書のバランスを取りながら、先生の話を聞いている。校舎が完成していないのだ。子どもたちは、校舎も机も椅子もない状態で新学期を迎えた。

 校舎建設のための資金は、内戦によって打ち切られた。イエメンは2015年、サウジアラビア主導の連合軍がイランの支援を受けた反政府勢力「フーシ派(Huthi)」に攻撃を開始して以来、全土にわたる内戦に突入した。

 国連(UN)によると、イエメンでは学齢期の子ども700万人のうち200万人が教育を受けられていない。また、国連児童基金(ユニセフ、UNICEF)によると、教師の給与が支払われないことで、370万人もの子どもの教育が危機にさらされる可能性があるという。

 2500校以上の学校が機能しておらず、うち3分の2が内戦によって被害を受け、4分の1以上が閉鎖され、その他は避難所や兵舎に転用された。

 アルカシャールの子どもたちは、近くで放牧されているヤギに囲まれて勉強している。教師たちは、湾岸地域で戦争が激化し続け緊張が高まる中でも、いつか屋根のある学校で教えられると、希望を持ち続けている。(c)AFP