【9月15日 AFP】機密文書を盗んだ疑いで12日に逮捕されたカナダ騎馬警察(RCMP、連邦警察)情報部門の幹部が、ロシアの脱税事件絡みのマネーロンダリング(資金洗浄)に関する捜査を指揮していたことが明らかになった。カナダメディアが14日、報じた。

 日刊紙グローブ・アンド・メール(The Globe and Mail)によると、キャメロン・オーティス(Cameron Ortis)容疑者の逮捕は、ロシアの人権弁護士で、ロシア当局に拘束されていた間に死亡したセルゲイ・マグニツキー(Sergei Magnitsky)氏が生前に暴露した2億3000万ドル(約250億円)の脱税事件に関連したものだという。この脱税を行っていたのは、ロシアの内務省と税務当局の高官とみられている。

 オーティス容疑者はつい8月まで、この脱税で得られた資金の一部が、カナダを経由していたかを調べる捜査を指揮していた。

 同紙は匿名の情報筋の話として、「RCMPの国家情報調整センター長を務めるオーティス容疑者は、ロシアの詐欺によって得られた資金のうち1400万ドル(約15億円)以上がカナダに関係していたとの疑惑を追及している弁護団と、2回目の面会を行う予定だった」と報じた。

 オーティス容疑者の関与判明に先立ち、かつてロシアで投資を行い、マグニツキー氏を雇っていた英投資家ウィリアム・ブラウダー(William Browder)氏は2016年、RCMPに告訴していた。ブラウダー氏は2017年にオーティス容疑者と面会したにもかかわらず、RCMPは捜査に乗り出していない。(c)AFP