【9月14日 AFP】カナダ騎馬警察(RCMP、連邦警察)は13日、機密文書を盗んだ疑いで情報部門の高官を逮捕したと明らかにした。

 警察の発表によると、12日に逮捕されたキャメロン・オーティス(Cameron Ortis)容疑者には、刑法と情報保全法に抵触する5件の容疑がかけられている。RCMPは、オーティス容疑者が「計り知れない件数の事件の捜査を損ないかねない大量の情報」を盗んだとしている。

 ジョン・マクファーレン(John MacFarlane)検事は13日の同容疑者の出廷後、報道陣に対し、「機密情報を取得、保存、処理した容疑だ。伝えるべきでない相手にそれを伝える意図があったと考えている」と述べた。

 逮捕を最初に報じたカナダのテレビ局、グローバル・ニュース(Global News)によると、容疑者はボブ・ポールソン(Bob Paulson)前RCMP長官の顧問の中で特に高い地位にあり、防諜(ぼうちょう)活動を統括していた。

 公共放送ラジオ・カナダ(Radio-Canada)によれば、容疑者は東アジアや重要インフラ、インターネット上の情報を自動で収集・拡散するなどの機能があるプログラム「bot(ボット)」を専門としている。

 また、ビジネス向け交流サイト(SNS)「リンクトイン(LinkedIn)」上にある「Cameron Ortis」名義のアカウントには、この人物がブリティッシュコロンビア大学(University of British Columbia)で国際関係と政治学の博士号を取得した後、2007年からカナダ政府で働いていたことや、標準中国語を話すことを示す記載がある。

 カナダは、オーストラリア、ニュージーランド、英国、米国と共に、互いに秘密情報を共有する協定を結んだ「ファイブアイズ(Five Eyes)」と呼ばれる5か国の一角をなしている。また、カナダは現在、中国との外交危機のさなかにある。(c)AFP