【9月12日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は11日、イランがウラン濃縮を進めることに警告を発する一方、同国のハッサン・ロウハニ(Hassan Rouhani)大統領との会談に道筋をつけるため、現行の制裁を緩和する可能性を残す発言をした。

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 トランプ大統領は、首脳会談実現のためイランへの重い制裁を緩和するかと問われ、「何が起こるかを見る」と発言。その一方、イランが濃縮ウランの貯蔵量を増加させることは、「とても、とても危険」な行為になると警告した。

 同大統領は、イラン側は「すさまじい財政難に陥っている上、制裁がますます厳しくなっている」ため取引を望んでいるとの見方を示した。

 一方、ロウハニ大統領は11日、トランプ氏の発言に先立ち、首脳会談を拒否。米政府は対イラン制裁を解除しなければならないと強調していた。

 ロウハニ師は閣議で「米国人は、敵対姿勢と戦争の挑発が望み通りには機能しないことを理解しなければならない。どちらも放棄されなければならない」と発言。また米国の制裁について、「敵はわが国に『最大限の圧力』をかけた。わが国の対応は、これに抵抗し、立ち向かうことだ」と述べた。

 イランは2015年の核合意の下、制裁解除と引き換えに核開発計画を抑制することを受け入れていたが、米国はこの合意から離脱。以降、トランプ大統領は制裁を利用してイランへの圧力を強めてきた。

 しかし、トランプ大統領は10日、「最大限の圧力」戦略の立案者であるジョン・ボルトン(John Bolton)大統領補佐官(国家安全保障問題担当)を更迭。

 11日には、自身の政権はイラン、北朝鮮に「非常に高いレベル」で対応しているとした上で、「イランにはとてつもない可能性があると思う。素晴らしい人々だ。わが国は体制転換を求めていない。取引できることを期待している。取引できなくとも、それはそれで構わないがね」と述べた。(c)AFP