【9月7日 Xinhua News】中国科学院南京地質古生物研究所の朱茂炎(Zhu Maoyan)研究員は、英国の地質・古生物学者と協力し、5億年以上前の地球の酸素濃度急増過程を復元した。この「地球の大酸化」は、地球上に生息する動物の種類が爆発的に増加した「カンブリア大爆発」の前に、普遍的な酸素不足にあった海洋と大気の酸素濃度を急激に高め、高等生物の急速な進化に基本的な条件を提供した。研究成果は2日、英科学誌「Nature Geoscience」に掲載された。

 研究者は、約5億7000万年前に地球上の主要大陸が集まり、ゴンドワナ大陸と同大陸内の中央造山帯を形成したことを発見。激しい地質活動により、地表の大量の硫酸塩が浸食されて海に流入し、海水中の微生物や有機物と反応して海洋の酸素濃度が増加し、海水中の酸素がガス交換によって大気に入ったため、当時の海洋と大気の酸素濃度が急激に増加したことを解明した。

 朱氏は「初期の地球環境は極度の酸素不足で、大きな環境の変化が生命進化の鍵を握っていた。5億年以上前に起こった2回目の大酸化は、高等生物の進化に環境面での基礎を提供した。これ以降、動物の始祖が地球上で繁殖・生息するようになった」と説明した。(c)Xinhua News/AFPBB News