【9月5日 AFP】アルペンスキー男子のマルセル・ヒルシャー(Marcel Hirscher、オーストリア)が4日、現役引退を発表し、昨季には前人未到のW杯総合8連覇を果たすなどした輝かしいキャリアに幕を下ろすことになった。

 30歳のヒルシャーは、オーストリア・ザルツブルク(Salzburg)で行われた記者会見で「きょう、現役を引退する」と語った。

 世界選手権(FIS Alpine World Ski Championships)と冬季五輪でも王者に輝いたヒルシャーは、引退の決断は2週間前に下したと明かした。シーズンが終了してから体力の回復に以前よりも時間がかかっていることに気付き、健康体を維持し、大きなけががなく現役を終えられるのは幸せだと思ったという。

 また、カジュアルな白のTシャツ姿で会見に臨んだヒルシャーは「レースに勝っている間にやめたいとずっと思っていた。これ以上の代償を払う準備はできていない。常に全力を尽くし、努力してきた」と落ち着いた様子で話した。

 ヒルシャーは、W杯で男女通して歴代最多となる8度の総合優勝を経験しており、これは2位につけるアンネマリー・モザー・プレル(Annemarie Moser-Proell、オーストリア)氏よりも2度多い。

 アルペンスキー界では今年初め、リンゼイ・ボン(Lindsey Vonn、米国)氏が34歳、アクセル・ルンド・スビンダル(Aksel Lund Svindal、ノルウェー)氏も36歳で現役を退いている。(c)AFP/Celine JANKOWIAK