【8月30日 AFP】カナダに移住した36年前からロト(数字選択式宝くじ)で同じ数字を購入し続けてきた男性が、6000万カナダ・ドル(約48億円)の高額当せんを果たしながら、当せんの事実を10か月も秘密にしていたことが28日、明らかになった。

 この男性は元ベトナム難民のボン・チュオン(Bon Truong)さん(55)。チュオンさんは今月28日になってようやく、カナダ西部アルバータ(Alberta)州エドモントン(Edmonton)で当せん者だと名乗り出た。

 チュオンさんは、10か月もの間名乗り出ず当せん金を受け取らなかった理由について、当せんを知った時に「この当せんが、私の家族にとってどんな意味を持つのか考え始めた」と話し、「多くのことが変わってしまうと気付き、その変化を受け入れる覚悟と準備をしたかった」と記者会見で説明。そう考えたチュオンさんは、当せん券に自分の名前と電話番号を書き込んで金庫にしまっておいたという。

 賞金の使い道については、まずは家のローンを返済し、家族旅行をしたいと述べた。その後は庭師の仕事を続けたいという。さらに冗談めかして、子どもたちには今後も一生懸命働いてほしいので、高額の当せん金を手にしたことは明かさないつもりだったと語った。

 チュオンさんについて、めいの女性は「ベトナム戦争を逃れて着の身着のままカナダに来てきてから、働きどおしだった」と話した。チュオンさんや家族は一心に働き、家を買うためにお金をため、子どもたちにより良い生活を送らせ、ロトを買ってきたという。「それが30年たってついに報われ、とてもうれしい」と女性は喜んだ。

 当せんしたロト券はチュオンさんが地元のカジノで購入したもので、選んだ数字は重要な日付と家族の誕生日の組み合わせだった。(c)AFP